黄桜

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釣った魚に、エサをやるのは生きている時だ。死んだ後に餌をやるなんて真似をするのは、よっぽどの物好きくらいなものだ。
だから、皆、求められたものに見合った対価を差し出す。恋も愛も浮気も、間引いても減らない人間の中で対価が等しい者達が手を取り合う事で初めて成り立つものだからだ。言い方を変えれば、大きすぎても小さすぎてもダメということだ。
仮に自分とは違うが、自分のパーソナルスペースに入れてもいい人間がいたとする。君達は、彼等が求めてくれるのを期待していたとする。けれど、彼等は求めるどころか意思表示すらしない。この場合、君達はまず彼等に対して呆れを持つだろう。そして、やがて自分の中のパーソナルスペースから徐々に追い出していく。
つまり、エサが欲しければ自分にも相手にも素直になるべきと言う事だ。

別れ際に、魚は餓死していた事に気づく。

お終い

エサ=見合った対価
餌=不釣合いな対価
餓死=自己満足

9/28/2023, 10:18:01 PM