私があげたシトラスの香水を、貴方はいつから纏ってくれなくなったのだろうか。3年間一緒に居たけど、私達の間にあった愛はいつ冷めたかも分からない。気が付けば私は貴方と距離を置かれていて、貴方から香るのはいつだって芳醇なラベンダー。それは知的で端正な貴方によく似合っていたけれど、私が求めている事に応えてくれないのが悲しかった。
色白な貴方は、今はもう真っ赤に汚れている。シトラスでもラベンダーでもない、生臭い匂いが私の鼻をつく。私の何が悪かったんだろう。いつから貴方は私を見てくれなくなったんだろう。
「君は、僕には重すぎる」
そう言い残して貴方は消えてしまった。私のお腹に深く刺さった包丁を抜かないまま。でも今は、貴方と同じ匂いになれて嬉しい。
8/30/2024, 1:37:40 PM