「心のざわめき」
帰りのバス。最後はいつもあいつと2人きり。クラスは同じだが僕はカースト底辺、対して奴はカースト上位のいけ好かないイケメン。全く接点がない。…はずなのに。
「なぁ。」
前の座席に居たのに突然、僕の横に座ってきた。
「…な、なに?」
「いつもイヤホンで何聴いてんの?」
「な、なんで??」
「ん?特に意味は無いけど、単純に気になっただけ。どんなの聴いてんのかなーって。」
「……こ、これ。」
イヤホンの片っぽを差し出した。
「!!…いい曲だな。もっと、他にも教えて。」
「え!ほ、本当!?いいよいいよ。このグループなら、他にはこの曲とか!あ、こっちもおすすめで〜…他にも色々あって…」
オタクじみた早口にハッと我に返る。
「センス良いんだな。めっちゃ詳しいし、明日の帰りもまた教えてな?」
奴はからかうように笑って、僕の顔を覗き込んで来た。
その顔を見た瞬間、僕の心がざわざわした。
「…こ、これだからイケメンは、いけ好かないんだ。」
「?」
3/15/2025, 12:18:45 PM