「朝焼けにおやすみ」
暦の上では秋だが、まだまだ気温の高い日は続いているため、取り込んだばかりの洗濯物はホカホカと温かい。
まだ高校生は学校にいるであろう時間帯だ。
そっとカーテンを閉める。
繁華街に住んでなくてよかった。
ゴロリとベッドに寝転がる。
まだ明るいから、もうひと眠り。
次にカーテンを開けるのは、陽が落ちてから。
月を眺めながら、今夜の話題を探してネットの海を彷徨う。
日付が変わってからの逢瀬は画面越し。
「月が綺麗ですね」なんて、言える度胸はない。
だけど、同じ月を見ていることが、私と貴方が生身の人間だということを証明している気がする。
学校に行けなくなって、外にも出られなくなった。
それでも、誰かと繋がっていたいなんて、都合が良過ぎると思う。
だけど、この時間が楽しいと、まだ思える。
それなら、大丈夫。
私も貴方も、大丈夫。
朝陽が近づいてくる気配がして、カーテンを閉める。
おやすみ。また明日。
そう言い合えることがとても救いになっていること。
たぶん、私と貴方以外には理解できないだろう。
でも、今は、それでいいのだ。
────窓から見える景色
9/26/2024, 3:39:34 AM