「木枯らし」
冷たい風が吹きつけ、わずかに残った葉っぱたちが散らされ飛ばされていく。その様子を横目に見ながらただ歩いていく。前から強く吹く風が私の髪を乱し、行く手を阻む。それでも、足を止めない。理由は自分でもよくわからない。ただ、外を歩いていればどこかにあなたがいるんじゃないかと思うと、足を止められなくなっただけなのだ。
そうして歩いていると、一層強い風が私を襲い、思わず腕で顔を覆う。強風の中で、あなたの気配を一瞬感じて目を開けた。ぼんやりとした景色の中で、あなたの後ろ姿が見えて思わず手を伸ばそうとする。けれど風に耐えられずに目を瞑り、もう一度開けた時には変わらない街の風景があるだけだった。
ようやく分かった。もうあなたはどこにもいないのだと。
木枯らしの中で見たのはあなたのイタズラか、それとも幻だったのだろうか。
1/17/2026, 2:14:06 PM