偉大なる魂殿

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右を見ると、リーダーシップに溢れて活気に満ちた人がいる。左を見ると、おしとやかで誰でも平等に接する優しい人がいる。
その間にいる、自分は…?
何ができるんだろう。この人達の手を、自分が握っててもいいんだろうか。もしかしたら、知らないところで後ろ指を指され、ボロクソに言われているかもしれない。
そんなことが頭に充満して、手を離そうと力を抜く。振り払うことは出来ない。きっと、そんな資格自分にはない。

でも、手は離れない。俯いていた、重たい頭を上げる。両手は、力を強く握られていた。離すまい、と。
右の友達は未来を見据え、戦おうと此方を見ている左の友達は心穏やかに、慰めるように、寄り添うように此方を見ている。
俯いている場合じゃなかった。
力を抜いていた手に再び力を入れる。ニカリと笑い、もう大丈夫だと、言葉なくして二人に伝える。
大丈夫。自分達は、今日も手を取り合って生きていく。

7/14/2024, 3:24:16 PM