しじま

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 ウォーキングの道すがら、公園の噴水広場とグラウンドの一角でボロ市――いい感じの言葉で言えばフリーマーケット――が開催されていた。

駅から少しだけ遠い立地にも拘らず大盛況、臨時で置かれたベンチには一足先に戦利品をゲットした人達が休憩している。

 潔癖の気がある君は素通りすると思ったのだが、意外にも興味が惹かれたようで「見ていこう」と手を牽かれて。

色とりどりのタープやパラソルの下、所狭しと置かれたガラクタの山にキラキラと目を輝かせている君を見て悟った。

 どうやら、物欲が無い訳ではないようだ。

生活必需品意外ほぼ買ってこないのは、君のストライクゾーンが針穴のような狭さだからか。

 今も、何に使うのかサッパリ分からない、鉄製のハサミのような物を握ったり、ひっくり返して見たりしている。

 ……買うの?ソレ。

そう君に問えば、そのハサミのような物体をカチカチいわせながら、コクリと君は頷いた。

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2/17/2024, 4:44:25 PM