藁と自戒

Open App

創作物にしばしば列車が登場する

「雪国」、「銀河鉄道の夜」、「江ノ電ニキ」、「8番出口」

やや俗な一例も採り上げたが、少し省みるだけで自身の血肉となっている作品のうち列車が登場するものは多いように感じる。

人類が誕生し約700万年、2本足で地を踏みしめるようになった霊長類唯一の種は、独自の進化を遂げたその知性により様々な移動手段を獲得した。水を捉え水中を自在に泳ぐための鰭に対し、四肢がそれに適していないと理解して船を造った。風を捉え空中を自在に飛び回るための翼に対し、自分にはそのすべを持たないと理解して飛行機を造った。最速の生物とはまさに人類であり、その知こそがそれを可能にしている。

同じくして陸路にて大量の人・物を運ぶために列車を作った。人類史において道の整備はしばしば採り上げられるテーマであるが、なにが通るにしても轍というものは課題となっていた。人類は度重なる挑戦にて鉄の道を敷くことによって轍を踏み越えたのだ。

そして線路、車両共に整備改良が重ねられて現在に至る。その過程にて所謂「駅」というものが発達した。歴史を遡ると場所と場所通しの橋渡しとなるのが道であったが、むしろ線路と線路を繋ぐ場所としての駅が意味を持つ場所として形成され始めた。人々の生活にとって駅がより密接なものになっていく。

これは単に

2/29/2024, 8:55:47 PM