乱正堂

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黒い海に揺られ、
氷のような風に吹かれ、
厳しいが、
目的地が分かっていれば流れ着くだろう。

「君、よーく、その舵を握っていてくれたまえ。」

オレンジのぼんやりとしたランプに顔が照らされている船長の、覚悟の決まった顔といったら。

私はこの人の為に舵を二度と離さないと決めるほど、頼もしく、勇ましくみえた。

「見失うな。自分で舵を握って舵を切るんだ。その結果沈没しても後悔はない。ただ、あまりにも強大な自然に、逆らえない時もあるがね」

11/7/2025, 2:03:07 PM