「手紙を開くと」
母からの最後の手紙を開くと、愛情が沢山詰まっていた。
幼い頃からの思い出。私に対する感謝。今後の心配。
全てが、私に対する愛情だった。
口煩いと思った時期もあった。
鬱陶しくて、反抗して距離をとった時期もあった。
お互いに主張が強い性格だから、お互いに譲れず諍いになる事も多かった。
母が余命宣告されてからやっとお互い素直になれて、普通の親子みたいに仲良くなれて、少しずつ親孝行も出来ていたのに。
でもその時間は短く、満足に恩返しも出来ない内に最期の時が来てしまった。
そして渡された、最後の手紙。
痛い程の愛情を感じた。
一体どうやってこの愛情に報いればいい?
どうやって、きっと足りない。届かない。
でも、私が今後の人生を精一杯生きて、幸せな人生を歩む事が母が一番喜ぶ事だと思うから。
だから、空から見ててね。
私は、貴方からの愛情を胸に、幸せに生きていくから。
5/6/2025, 12:07:33 AM