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「つまらないことでもさ、やり続けてれば、意味はあるよ」
生徒会長は言った。
僕は、半信半疑に、つまらないことだと思ったけど、
「先輩、スポブラ透けてますよ」
と、答えた。
「バカっ!! もう本当に、慎之介ったら! もう、知らないっ! 私は真剣に考えてるのに、ホントにスケベなことばっかりよこすんだから。もう、お嫁に行けないじゃん!」
と言うので、僕はおどおどと付け加えた。
「あの、好きです」
「……」
しばらく、間があって。
「よくない」
むすっとして答える先輩は、多分わからないんだろうな。僕のこと、好きじゃなさそうだから。
本当は、丸美のことの方が好きなんだけど……。
って、言ってもいいだろうか。
どんな顔するだろうか。
その顔を見て、僕はどんな顔をすればいいんだろう。
「ほ、ほ、ほ、ほ……」
「なに?」
怪訝そうな顔をされる。
「なんでもないです」
僕はいつもそうだ。

8/4/2023, 10:09:49 AM