死にたい少年と、その相棒

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  /遠くの空へ

遥か遠い空の先には月があって、星があって、宇宙がある。
「宇宙の先は、天国なのかなぁ」
一ミリも信じていないものを思い描いて吐き出した。
隣の君がため息を吐き出したのが聞こえる。
「手前は地獄行きだろ。どう考えても」
「分からないでしょ? 何かの手違いで天国に行くかもしれないよ」
そう答えて空を見上げた。彼はもう何も言わなかった。

「ねぇ僕の代わりに行ってきてよ。天国」
君、飛べるんだからさ。
そう言って笑えば彼は視線を空へ移した。
「俺も地獄だろうな。手前の後追っかけ回してやる」
「なにそれ、最低」
笑えば星が瞬いた気がした。

遥か遠い空に憧れた。決して届かないあの暗闇の世界のその先を想像するだけで、胸が高鳴った。

はやく逝きたいなぁ、と僕の声だけが響いた。

4/12/2023, 12:14:20 PM