台風一過、は台風のお父さんとお母さんと子供がいると思ってた。
肋骨は左右に六本あるからろっこつと言うのだと思ってた。
そんな子供心の思い出が甦る。
可愛い勘違いを笑って思い出せる環境ならいいんだけど。
水に浸かった壊れた家電製品を運び出し、水で重くなった畳を引きずり出し、壁についた水位の後を見つけてため息をつく。
――これから再生の道が始まるのか。
いつか穏やかに思い出せる日が来るのか。
自然の猛威を改めて感じながら、二階にある非常持ち出し袋を探した。
空には虹がかかっている。
END
台風が過ぎ去って
9/13/2025, 6:47:06 AM