「『ラベルの音』で、当初、書きたかったワケ」
うまいこと考えたと思ったんだ。
某所在住物書きは、小瓶にラベルを貼るジェスチャーをしながら弁明した。
「茶っ葉を小分けにして、テープでラベル作って、それを貼る音とか。
スーパーの値引きの時間に、店員が値引きラベルを作って、それが端末から出てくる音とか。
書けると思ったワケ。実際書けたワケよ」
結局「ラベル」ではなく「ベル」に戻したのは、完成品に対して掲載の納得ができなかったから。
「言うて、『ベルの音』の方も、うん、うん……」
もう少し書ける気がする。 これを白紙にして、他の物語を書くべきだとも思う。
物書きは苦悩しつつも、「少なくともマシな方」を投稿する判断をとった。
要するに、こだわれば、キリが無いのである。
――――――
私が走ってるソシャゲで、来週のガチャ予報PVが2個、配信された。1個は年末の復刻だ。
もう1個は、新規絵と新規ボイス。
「ドワーフホトのウィンターティーパーティー」。
ドワーフホトっていうビジネスネームのキャラがいて、その子がメッッチャかわいい冬のお嬢様服を着て、貴族な部屋でお茶会を開催、っていう。
カワイイけど私の推しではない(暗示)
PVもキレイだ。
ダークレッドとダークブラウンを基調にした部屋で、ドワーフホトお嬢様が、呼び鈴をチリン。
小さなハンドベルの音で、不知火タイプのミカンがポンポン、24と1個で跳ねてきて、
お菓子やポットをのせたワゴンを押したり、
お嬢様のテーブルにクロスを敷いたり、
お茶の準備をしたり。
カワイイ。推しではない(強めの暗示)
チリン。PVの中のお嬢様が、呼び鈴を鳴らす。
ミカンは舞台の奥に下がって、お茶会開始。
ウサギ系のビジネスネームを持つキャラが、それぞれカワイイ、あるいはカッコいいお召し物で、
名前が紹介されて、レアリティーが紹介されて、
最後に執事の格好してお茶の給仕とかをする私の推し2名が、サプライズで登場。
タバコのカッコいいオッサン(?)と、
その部下のカッコいいお兄さんだ。
推しだ(事実) 推しが執事だ(これも事実)
こちらはガチャでの登場じゃなくて、
ガチャと連動して開催されるイベントで、報酬としてゲットできるらしい。
良かった。ヨカッタ。私の財布は、年を越せる。
貯金額を微増させたまま、終了することがでる。
……ドワーフホトの衣装カワイイ(推しじゃない)
私もお茶会したい(特にお菓子)
で、繰り返し繰り返し、何度かPVを視聴して、
職場の昼休憩中に、お茶会どーのこーの、お菓子云々、推し執事って呟いてたところ、
その欲望を、同僚に聞かれたらしい。
「そのPVに映ってるの、シフォンとマカロン?」
同僚は、名前を付烏月さん、ツウキさんといって、お菓子作りが今年のトレンド。
今月で離職しちゃうけど、これまで何度も、職場に手作りスイーツを持ってきてくれた。
「再現スイーツ、作ってあげよっか?」
多分呼び鈴も、似たやつ、準備できるよん。
最後の感謝セールみたいに、付烏月さんは気前の良いことを提案してきた。
「再現スイーツ?」
「白いシフォンとチョコのシフォン。
かわいいマカロンとタルトショコラ」
「おお、おおお」
「小さなハンドベルの音チリン」
「おををを、ホト様、ほとさま……!」
「執事の服は無いからゴメンね」
「大丈夫。作れるひと知ってる」
「つくれる?」
「藤森先輩に着せよう。先輩に着せて、ツー様やってもらって、ル部長は我慢する」
「ルブチョ???」
「大丈夫だよね??お世辞じゃないよね??」
「大丈夫、作るけど、気合い入ってるね?」
「だって再現ティーパーティー……」
あーだこーだ、云々。
ソシャゲのPVから、リアル茶会のハナシになって、それから、コスがどうの、こうの。
今日もウチの職場はゆっくり時間が過ぎていく。
ひとまず茶会の日程は、私の先輩の予定次第ってことでまとまったけれど、
先輩が執事コスをしてくれるかは、聞きそびれた。
12/21/2024, 4:24:52 AM