NoName

Open App

七夕
七夕の願いの短冊に何かを書いたことがあるだろうか。
自分の希望なぞ聞いてもらえないような育ちをしたのて、時分の願いというのが自覚出来ていなかったような気がする。
いや違うかもしれない。生活していくのでみんな必死だったのかもしれない。外食なんてしたことなかった。そういう時代だった。
ただそれだけではなかった。多くの子供は短冊にいろいろと書いていた。ほかの子供らが書いた内容は覚えていないが、どこどこへ行きたいとか、何か食べたいとかそんなことだったような気がする。僕はそんなことに興味がなかったのだろう。
書けと言われた短冊に何を書いたのか覚えていないが、当たり障りのないことを書いたのだろう。
織姫と彦星が会えますようにと今なら書くだろうか。当たり障りのないように。

7/7/2023, 11:21:25 PM