時を告げる。
時計塔。
私は12時に帰らないと、
魔法が解けてしまう。
サンドリヨンは焦る。
王子を置いて
走り去る。
階段を急いで降りる。
王子は止めようとした。
その時
「___あっ…!」
足を踏み外す。
勢いよく落ちてゆく。
王子が支えようともしたけど
転げゆくサンドリヨンを止めることは出来ない。
でもサンドリヨンは見ていた。
王子が、私の足をわざと蹴落としたのを。
「__貴方の罪を忘れはしないわ。」
王子を睨みつける。
にやっと、笑う王子。
「_へぇ。」
きっと、彼は私を殺す気だったのだわ。
彼は、誰ともまだ結婚なんてしたくない、
って言ってたもの。
お姉様とお母様には悪いけど、
先にいかせてもらうね。
そう思って目をつぶって意識を手放した。
起きたら
ふかふかの、ベッド。
やぁ、お目覚めかい?
灰かぶり姫の、サンドリヨン。
隣から声が降ってきた。
私の足は動かない。
それどころか、足がない。
「僕から離れる足をなくてあげたのさ。
僕って、優しいだろう?」
でも、大丈夫。
これからは僕がお世話してあげるからね。
全身に寒気が走った。この男、狂ってる…!
逃げようとした。身体は動いてくれない。
金属が私の身体を縛り付けていた。
君が、不幸になって、それから幸せになる。
それだけじゃ、つまらないだろう…?
僕が、スパイスをかけてあげるよ。
王子は狂ったように笑う。
9/6/2024, 1:25:32 PM