霜月 朔(創作)

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ジャングルジム


何もかも、上手く行かなくて、
全部、嫌になっちゃった時は、
庭の片隅にある、
大きな木に登るんだ。

大人になって、木登りなんて、
誰もやらないから。
此処はボクだけの、
秘密の場所。

公園で遊ぶ子供達が、
ジャングルジムに登る様に、
ボクは、慣れた身の熟しで、
木に登っていく。

高い木の上から見ると、
嫌になった事なんか、
ちっぽけに思えて。
少しだけ元気になれるから。

そして、ボクの足元には。
突然姿を消したボクを、
心配そうに探してる…アイツの姿。

一番早く、ジャングルジムの
一番上迄登った子供の様な、
不思議な優越感に浸って。
ボクは、木の上から、
ボクを探す、アイツを眺めて、
こっそり微笑むんだ。

9/23/2024, 6:10:45 PM