お題『何でもないフリ』
夏季補習3日め朝。学校に着き校舎の内入理、靴箱から上履きに履き替え2階空き教室に向かっていた萌香。
階段を登り、途中の踊り場で両腕を上げて体を伸ばしていた。
萌香「ん〜〜っ。今日で最後かぁ」
すると萌香の背後から大神が声をかけて来た。
大神「おはようさん!萌香(子猫)ちゃん。こんなとこでボケーっと立っとたら遅刻すんで(笑)」
萌香「お、大神君!?おはよう!え、嘘!?遅刻?」
萌香は慌てて階段を駆け上がり走って空き教室まで向かう。教室の扉を開け一歩踏み出し––––。
萌香「間に合った〜」
と言いながら席に着く。隣の席に座る大神はくっくっくと笑いを堪えているが次第にあはははと大笑いし始めた。
萌香「何かおかしいことあったの?」
きょとんとした顔をする萌香。大神は笑いながら教室に飾られた時計を指差す。萌香は大神が指し示す方へ目をやる。
萌香「8時10分……遅刻じゃ……ない!?」
大神「子猫ちゃん騙されやすいタイプやなぁ。気をつけなあかんでぇ(笑)」
萌香「き、今日はたまたま油断しただけだもん!」
大神「今日はっていつも誰かに騙されとるんか?」
萌香「騙されてません〜」
この3日間大神と毎日会う中でだんだん仲良くなっていった二人。萌香は大神の前でただの補習仲間として好意のないフリをしていたが、内心はずっと心臓がバクバクしていたのだ。
3時限終了後萌香は、意を決して大神に伝える。
萌香「大神君!連絡先教えて!!」
End
12/12/2024, 8:50:37 AM