上手くいかなくたっていい
ある日、僕はパパと語り合った
この世に生きる歓びや悲しみの言葉を。
上手くいかなくたっていい、むしろ上手くいかないほうがいい、パパはそう言って微笑んだ。
失敗は成功への道なんだよ。
人は悲しみが多いほど人に優しくできる
失敗を恐れるな。
勝って強くなるんじゃないんだよ
負けて強くなるんだよ。
パパは、そう言って微笑んだ。
そして、僕は知った悲しみの朝を
僕はパパと約束したことを忘れない
唇を噛み締め拳を握りしめても
胸を張り風に向かって立つ一本の葦のように
僕は立っていた。
その朝、パパは虹の橋を渡った
二度と会えないこと
温もりを感じられないこと
僕は知っていた
だから、最後まで涙をふいて胸を張り
僕は立っていた。
やがて季節が巡り
僕はパパより歳上になった
それでもパパは、僕のパパ
今なら分かる、パパの言葉の
本当の意味を。
そして、僕もパパと呼ばれながら
青空の下パパと話した言葉を
話すよ、その時青空には虹がかかり
パパは微笑んで風を送ってくれる。
そうして、命はひろがる…。
令和6年8月9日
心幸
8/9/2024, 2:17:14 PM