シロツメ ナナシ

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『耳を澄ますと』


ん?今お腹鳴った?

にへへ―――と、彼女は笑う

やりたいことやって
求め合うだけ求めてた

気がつけば、もうお昼
一日「それ」で終わるところだった

俺も補給しないとほぼ空っぽ


昨日の残り物をかき集め
ご飯は炊きたてを用意

これで十分だったし
むしろ今はそれが食べたかった
のんびりと口に運び
たまに相手の口にも運び

何もないを全力でする時間
こんなこといつでもできると思いつつ
いつでもできることこそ
やろうと思わないと結構やらない事だ


俺が彼女を求めることは多いが
彼女も求めてくる事があるのが
なんか今の俺には
―――それがものすごく嬉しかった

今まで一緒にいなかった自分たち
互いの過去を塗り替えるかのように
思い出に今の自分たちを
無理やり刷り込ませるかのように
求め合っていたし
相手が求めてくれていた


ここからはまた―――2人だけの時間



―――またしばらくして

普段なら寝て起きれば、誰もいない…

耳をすまして聞こえてきたのは―――


彼女の寝息だけ―――


それがなんか……愛おしく―――


〜シロツメ ナナシ〜

5/5/2026, 6:57:44 AM