『真昼の夢』
カンカン照りの太陽が照りつける8月、僕らは暗いところに閉じ込められる。何千何万という人並みが、一斉に同じ場所で息をする。それは、夢のように輪郭がぼやけていて、ここを出るときには何も覚えていない。ここにいる間は、こんなにも鮮明なのに。
カカカカカカカカカンと、勢い良く光がついて行く。端から端まで勢い良く照らされ、僕らも光を手に携える。そろそろ始まるのだ。
「みんな!会いたかったよ!」
今だけは、僕ら同じ夢を見るのだ。マイクを握った推しは、何より輝く真昼の夢だから。
「大好きだよー!!!」
7/17/2025, 2:43:59 AM