いしこころ

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帰宅ラッシュ
バスの中はぱんぱんで
吊革を握っているのがやっとだ
次は***前です
バスのアナウンスが流れた
降りる駅だ
窮屈な箱から出るために
窓横にある降車ボタンに手を伸ばした
赤く光る降車ボタンの隣に
見かけない蒼く煌く石の様なのがある
町で周るバスには似つかない
神秘的で何よりも高価そうだ
誰か捕っていってもおかしくないものだか
誰も気づいていないのか
携帯をいじっていたり
吊革に寄りかかりうたた寝をしている
ピンポーン
誰かが降車ボタンを押した
窓からは見慣れた景色が流れていく
もうすぐでバス停に着く
目の前の不思義な石を見た
伸ばしていた手を石の方へ持っていった
ひんやりと冷たい感覚が指先に感じた
カチッ
スイッチが押された音と共に
瞬きを一度した様な気がする
目の前が真っ暗だ
辺りを見渡した
肩を窄め人に埋もれながら
乗っていたバスはどこにもない
静まり返り一足先は落とし穴のような暗闇だ
足がすくむ



書くの疲れた

#ここではないどこか

6/28/2022, 7:45:33 AM