幾千の時を越え、出逢い
幾千の言葉を交わし
幾千の愛を語る
何時の日か朽ち行く人生の道半ばに
寄り添う二人が立って居る
若き二人は
この道が我等の人生だと
堂々たる態度で示すのだが
時が経ち、道が狭まるにつれて
寄り添い歩む事が不可能となる
それを悟った男が、繋いだ手を優しく解く
そして立ち止まり、振り返る
何か思う事があったらしく、男は目を閉じた
それから、消え入りそうな声でこう告げた
さぁ行きなさい、愛する人よ
女は歩き続けた
そして、孤独を嘆き立ち止まった
なぜならそこから、道が途絶えていたからだ
何より自分の隣に、愛する人が居なかったからだ
11/23/2022, 1:13:11 PM