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静寂の中心で 愛する、それ故に 秋恋 一輪のコスモス
です。


静寂の中心で

静寂の中心で目を閉じる。
聞こえてくるのは自分の鼓動。
生きてる。ってことを、強く実感できる瞬間。
けど、それしか聞こえなくて、不安と恐怖も感じられる。
1人でいる時間は好きだけれど、静寂に包まれた部屋は、少しの物音が怖い。
「恋人、ほしいな」
恋人がいたら、静かな空間にいても温もりを感じることができるから。
その日が来るのを願いながら、毎日を過ごすのだった。


愛する、それ故に

「じゃあ、またね」
キミを家に送り、僕は自宅へ帰る。
本当なら、ずっと一緒にいたいし、繋いだ手を離したくない。
でも、キミを愛する、それ故に1人の時間が必要だと思う。
1人でいて、キミとの時間が愛おしく、一緒にいないことを淋しく感じることも大切だと思うから。
そして、1人きりの淋しさに耐えられなくなったとき、僕はキミに伝えたい。僕の心からのキミへの愛を、プロポーズの言葉として。


秋恋

暑い夏が終わり、涼しい秋になると、1人で外を歩くことが淋しくなるときがある。
「いいなぁ、うらやましい」
恋人と手をつないで歩く姿に、温かそうでいいな。と思ってしまうのだ。
「この先、イベント事も多いし、寒くなってくるし、恋人がほしいなぁ」
この前会った友だちが
「ね、知ってる?秋から始まる恋。秋恋って、恋が長続きしやすいんだって」
って言ってたし。
「出会いを探さなきゃ」
そのためにもまずは、仕事を頑張ろうと思うのだった。


一輪のコスモス

「誕生日おめでとう」
と、大好きな彼が、プレゼントを渡してくれる。
「ありがとう」
と受け取ったのは、小さな箱と、一輪の花。
「ねえ、このお花は?」
受け取った花。今まで見たことがなく、名前がわからない。
「ん?その一輪のコスモスがどうかした?」
「え?これってコスモスなの?」
コスモス。と教えてもらったが
「こんな色のもあるんだね」
見たのは初めてだし、この色があるのも知らなかった。
「それは、チョコレートコスモスだよ」
彼はふふっと笑うと
「花言葉は、移り変わらぬ気持ち。つまり、キミのことが大好きって気持ちを込めたんだ」
そう言って私を抱きしめのだった。

10/15/2025, 7:21:12 AM