「春って綺麗だよね!桜見れるしー!お団子食べれるの!」
そう彼女は、子供のようにはしゃいでいた。
団子はいつでも食べれるし、桜はどの花よりもすぐに枯れてしまう。淡い期待をしたところで悲しくなるのを知っている。
「嬉しくないの?」彼女は私の顔をみて察したそうだ。
「桜はどの花よりもすぐに枯れてしまうし、団子はいつでも食べれるよ。造花の桜を見ながらでも楽しいかもしれない」私は、はっとした。こんなことを彼女に言うのは彼女を否定しているようになってしまった。少し、感情を抑えるべきだった。
「違うよ。桜がどの花よりもすぐに枯れてしまうのは知ってる。だからこそ見るんだよ。桜って見たい時に見れないの。見ようとしたら地面に落ちた汚い桜しか見れないの。それもまたいいけど。上を見ながら景色を楽しみたいの。明るい空と一緒に。上にある桜を見ながら上を向きながらお団子を食べるの。こんな風情を感じる状況他にある?笑」
あー、彼女は私の人生そのものを変えてくれる人だ。桜、一緒に見ようね。
彼女の写真を手に持って、彼女が好きだった三色団子を2個買った。君が生きてくれればと桜が散った時と同じ感情を味わった。
3/27/2025, 3:33:02 PM