高嶋のぎ

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願いが1つ叶うなら




「嘘つき」

彼女の去っていく背中を僕は追いかける資格もなかった。

はじまりは昔のほんのひとつの嘘だった。

ひとつの嘘が不自然にならないよう、次々と出まかせを言い気づいたら沢山の嘘をついていた。
嘘を誤魔化すための嘘をまた吐いて誤魔化し、気づいたら嘘だらけの僕に君はあまりにもまぶしかった。

年月が立つに連れいつしか僕は嘘さえ本当のことのような錯覚さえ覚えた。

しかし、錯覚は幻でしかない。

ああ、神様。
願いが1つ叶うなら、
嘘だらけの僕に真実を語るくちを下さい。

3/11/2025, 7:54:50 AM