ニワトリ

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もしもタイムマシンがあったなら
 
「後悔先に立たず」
 
最もわかりやすいことわざであると同時に、何をするときもこのことわざを理由に自分を納得させる。
それを予防線と言えばその通りでもある。
 
失敗したとき、結果が自分の理想と違ったとき、過去をやり直したいと思うことは多々ある。
本当にそれがやり直せてしまうとしたら、やり直すだろうか。
 
本当は簡単にそうしてしまいたいと思う。自分に関わる全てのことを気にしなければ。
 
「やり直しが可能である」
それはとても魅力的であると同時に、とても怖いことだと思う。
どれだけ自分だけのことだと思っていても、自分の行動は、きっとどこかで誰かのなにかに影響する。
 
過去を振り返ることは同時に、その先の未来を変えようという意志でもある。
自分の経験を活かすこと、だからこそ大変なこともあるし、時にそれは辛い。
振り返ってもすぐには変われないことも多いことは事実。時に数年だってかかる。
自分で自分のことに気づくことは簡単なようで難しい。
自分で考える限り、自分で簡単なことを難しくできるからだ。
とはいっても、人生の多くをかけても変わらないものがあるとすれば、それはもう自分の本質だと認めるしかないかもしれないが。
 
こうして、生きている限り常に何かは表裏一体で、この世の中で本当に一人だけでできていることはとても少ないのかもしれない。
そう考えると、タイムマシーンで過去に戻ることに恐怖を感じないだろうか。
好奇心でタイムマシーンを使ったとして、過去の自分に手を出さずにいられるだろうか。
過去の自分に手を出さなかったとして、その時の自分の気持ちに耐えられるだろうか。
 
何に代えても、絶対に失くしたくない何かがあるとき、そこからの自分の人生がどうなろうと覚悟し、その覚悟を持ち続けられるだろうか。
 
葛藤がその歩みを止めるとしても、葛藤できるからこそどこかで何かは進んでいる。
戻れない事実があるからこそ、人生とは一度しかないものなのだろうか。
怖がりだから、そう、思ってしまうのだろうか。

きっと、私だから、そうなのだろう。

7/23/2023, 3:22:08 AM