時折心の中を埋めていくのは仄暗い感情。何で彼はあんなに眩しいのだろう。暗い暗い地の底まで落ちてくれば良いのに。
その反面で彼らに苦渋を味わせたことがあるのは自分たちなのだという自負が浮かんでくる。
嫌だ嫌だ。薄汚れた感情ばかりが胸の内を占めているなんて。そんなこと考えたくないのに。
きっと距離をとった方が良いんだろう。それがお互いに……いや僕にとって最善だ。
そんな風に願うのに、そんな風に思うのに、それでも眩しい笑顔に惹き寄せられる。僕には君の輝きに抗えないんだ。
「遊木さん、この後時間あります?」
「うん。何かあった?」
「メシでもどうかな、って思ったんですけど」
君が笑うから僕も笑えるんだよ。
#優越感、劣等感
7/13/2023, 11:28:42 AM