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 ぐらぐらとして、ふわふわとして。
 それでも寝込むほどではなくて、足取りもわりとしっかりしていて、微熱みたいな。
 目の前のそれ/もの/彼/彼女に手を伸ばしたら、触れた瞬間にぱしゃんと弾けて消えた。これは私の夢。
 白昼夢よりは朧気で、記憶よりは明確な、ある意味一種の走馬灯。
 まるで、誰よりも、何よりも、長い時間を過ごしてきた私に、「どうか忘れてくれるな」と縋っているような。
 私の夢とは、そういうものなのだ。私がそれらを忘れないように、それらが私に忘れられてしまわないように。微熱として、私の身体を巡るのだ。

11/27/2022, 10:13:59 AM