朝日の温もり
扉を開けた瞬間に、目を細める。眩しい、と感じるほどの強さではなかったが、眠気眼で見るには強すぎる日の光だった。
どこか、上の空で歩きながら思う、こんな時間から何をしているのだろうと。
普段、こんな時間に出るとすれば仕事で早めに会社にいなければいけない時だから、それ以外の用事でこんな朝早くに家から出るというのは新鮮だった。だからだろうか、色々と考え込んでしまうのは。
空はいつの間にか夏の姿となっていて、思っていたよりも近くにあり、鳥の鳴き声がする。川では魚が泳いでいて、雲がゆっくりと流れていく。何でもない日常の風景を身体全身で感じ取れるのは余裕があるからこそなんだろう。
まだ少し肌寒いが、朝日の温もりは私の身体を温めてくれていた。
私は、どうして、こんなにも暖かい世界を壊さなければいけないのだろうか。
6/10/2023, 3:51:03 AM