蕨姫

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こんなはずじゃない。こんなはずじゃなかった。

鳴る気配も無かった携帯が鳴る。
"ごめん。"
たった一言。そう放って電話を切られた。一方的に。
相手は、私が待つレストランには来ないらしい。
なんで、、、
でも、少しだけ気がついていた。女の影に。
どうしようもないこの気持ちを何処へやったらいいのか。
そうか友達に連絡したら、、、
でも、今日は自信満々に「彼と過ごすんだ〜!」なんて言ってしまって私には連絡する勇気はなかった。
どうしようもないこの気持ちと1人悲しく食べるディナーがより一層、この夜景をキラキラさせる。
食事を済ませた後、上の階のバーへ向かう。
柄にもなくジンライムなんて頼んで、少しずつ口へ運ぶ。一杯飲み終わると、「あちらのお客様からです」なんてドラマみたいなことが起きる。
「えっ、、と、、有難う御座います?」と会釈をすると微笑んでいる男性がいた。
こんなことは初めてで、差し出されたお酒がどんなお酒なのかを聞くと、''テキーラサンライズ"と言うらしい。
意味も知らず飲み干してしまった事を後悔してももう遅い。
「お姉さん、僕と一緒にどう?」

もういっそ、いいや。なんて思って
お酒の力で嫌な事を忘れてしまおう、、、と、、、

あれ?

「「ねぇ、隣の相手は誰、、?」」




どうして____
2024.01.14

1/14/2024, 10:37:55 AM