「どうしたの?」
真っ黒な毛皮を被った熊は言いました。
さっきまで出てきていた太陽はいなくなっています。
「あぁ、君は僕の友達だよね?」
安堵したように息を吐き出し空は熊に聞きました。
「うん」
熊が頷くと空はますます激しく泣きました。
「いったいどうしたの?」
「熊くん、君は僕の話を聞いてくれるかい?」
熊は返事の代わりにじっと空を見つめていました。
目の中に空の涙が入ってきてもけして視線を逸らそうとはしません。
「皆、僕の事を嫌うんだ」
ゆっくりと話し出した空は少し泣き止んでいました。
「太陽くんは僕の事が嫌いなんだよ」
熊は少しびっくりしました。
「君達は月が来るまで一緒にいることもあるじゃないか」
「そう、だけど僕は泣き虫だから太陽くんの仕事をしょっちゅう遮ってしまうんだ」
「……」
「それに、雲くんにも嫌われてるんだ」
熊はもっとびっくりしました。
「今だって一緒にいるじゃないか」
「雲くんは僕が泣くのが鬱陶しいんだって」
「………」
熊は面倒になってきました。
「月くんも僕が嫌いなんだ、星くんも、宇宙くんも」
そして、空は一呼吸おいてこう言いました。
「君達も僕が嫌いなんだろ?」
「まさか、少なくとも僕は君が大好きだ」
「どうして?」
空は泣き止み太陽が顔を出しています。
「僕はね」
熊が真っ黒な毛皮を脱ぐと美しい虹色の体が露わになりました。
どんどんと大きくなっていきます。
「僕はね虹なんだ、君達がいないと出てこられない」
太陽は嬉しそうに微笑み、空はびっくりして固まっていました。
ー空が泣くー
気が向いたらちゃんと書きます。
9/16/2024, 11:24:30 PM