お祭りでジョーカー姿の男が子どもたちに飴を配っていた。子どもたちは美味しい飴に夢中になり、お祭り広場を離れ、男に付いて奥深い森林へ向かった。
そこで男は言った。
「この森林を切り拓いて宮殿を作るんだよ」と。
子どもたちは言われた通りに伐採を始めた。
しかし、どう切っても木々は空に向かって伸び続け、ますます森は深くなっていった。
とうとう子どもたちは森を出られなくなってしまった。
すると遠くから
「大人から搾取されないために森を切り拓き続けるのだ。子どもだけの宮殿をつくるのだよ」
という声が聞こえ、ジョーカーはいつの間にか姿を消してしまった。
子どもたちは飴も失い迷子になって大声で泣き続けた。
「遠くの声」
☆サタイア的お話
4/16/2025, 11:35:55 PM