「私、貴方から俳句をいただいた夢を見たのです。そういう夢を見たと、自信を持って言っても良いですか」
「実にナンセンスだ。1990年代の薔薇よ、夢は誰でも見るものであり、所有するものだ。お前が自信を持たねば、夢は潰える。夢みるひとに憧れているなら、尚更自信を持て、胸を張れ、汝薔薇ならば花開かん」
「ああやはり、1800年代に咲いた薔薇は本当に美しいですね。夢の中でいただいた句も、胸の中に烟る黒煙を溜め息にして吐くほどにさぞ麗しかったのでしょう」
「その様子だと、覚えていないのか」
「はい。届いた荷物の宛先の代わりに、貴方の句が書いてありましたが、真っ白に輝いていて、よく見えませんでした」
「やれやれ、流行にしか飛べない鶏の翼は夢の中でも邪魔をするのだな。仕方ない、私のナンセンスな句だ。お前のナンセンスで代わりに詠んでみろ」
「まあ困りました。俳句なんて全く思いつきません」
「心配するな、私の友人が言っていた。歌は小便を垂らすように詠んだらいいと」
「なるほど、生理現象に似た気持ちで書けば良いのですね。——ぬばたまの ともし火に咲く そうびかな」
「うん。及第点だ、悪くない。今度は、しっかりとお前のもとに私の詩を届けよう。夢の中で待っててくれ。さあ、おやすみよ」
(250410 夢へ!)
4/10/2025, 12:51:56 PM