どろどろ

Open App

4月
胸の高鳴りを感じながら、桜並木の道を歩く
期待と、不安でどうしたらいいかわからなくなる
歩いていると、目の前に小柄なショートヘアの女の子が歩いていた。
同じ高校に入る1年生だろうか?

(あの子、モテそうだなあ…)

後ろ姿しか見ていないけれど、ぼんやりそう思って学校へ急いだ。

入学式が終わって、教室へ向かう。
わたしはA組だ。

教室に入ると、見覚えのある小柄な人影。
わたしの席とは離れた席に、ショートヘアの子が座っていた。2人くらいの女の子に囲まれて、にこにこ微笑んでいた

(わたしも友達作らなきゃなあ。)

地元からは離れた高校にきたので知り合いが一人もいない。
ひとりぼっちにはなりたくないし、隣の席の人にちょっとした挨拶をした。

3週間後。
学校にも慣れはじめてきたころ。
部活は吹奏楽部に入ると決めているので、どの楽器をしようかぼんやり考えていた。

今日は席替えをした。
わたしは窓際の前から2番目の席。
あのショートヘアの子は真ん中らへんに机を移動しているのを見た。

5月
部活も少しずつ慣れ始めた。
吹奏楽部に入って、フルートになった。難しいけれど、先輩たちも優しいし頑張る。

風の噂だが、あのショートヘアの子はバスケ部に入ったらしい。小柄だから意外だと思ったけど小学校からバスケをやっていたらしい。

やっぱりあの子はすぐに人気者になった。可愛くて愛嬌もあって人間臭いところもある。
特に先輩たちから可愛がられてるみたい。

6月
6月は演奏会が多い。
まだ1年生だからほとんど吹かないけれどね。

そういえば、最近あの子をよく見つめている気がする。
なんでだろう、まともに話したこともないのに。

梅雨がうっとおしいな、雨は好きだけれど濡れるのは嫌いだ。

7月
だんだん、暑くなってきた。
運動部のあの子は大変だろうな。水分補給しっかりしないと。
いつか、あの子に話しかけてみようかな?

8月
あの子に話しかけてみた。
やっぱり、思った通りいい子だった
感情がすぐ表情に出る子で、素直で甘え上手

会話が聞こえてしまったが、部活の3年の先輩が、気になっているらしい。
もうすぐ引退だから、告白してみるんだと。
いいなあ。

9月
告白は、無事成功したらしい。
羨ましいな。私も恋人がほしい

あの子は人気者だから、あまり話せない。
きっとすぐ私の事なんて忘れるんだろうな。

10月
部活に専念しよう
へんなこと、考えていられない。
認めない。

11月
苦しい
認めた方が楽なのだろうか。
もう、11月になってしまっているのに?
あまり、あの子とも話せていない。
羨ましい。羨ましいなあ。

12月
忘れてしまおう
あんなの全部水に流そう。
なにもなかった、そういうことにしよう。

1月
疲れた
もう、いっそ認めてしまおう。
あの子が好きなんだ、わたし。
だからどうした?女同士だし、あの子には恋人もいるし。
咲かないまま終わる恋なのに、今更だ。

2月
あの子に話しかけたい
あの子を私のものにしたい
気持ち悪い願望に毎日吐きそうだ
どうみても、ふさわしくない。
あの子にはあの子に相応しい恋人がいる。

諦めたら楽になる?

3月
春休みが恋しいし、来て欲しいくないとも思う。
あの子を忘れたいし、あの子の視界と思考を独り占めしたい
いかないで
はなれないで

4月
春休みは終わった
あの子とはクラスが離れた。
後輩ができた。
それでも、あの子が頭から離れない。


⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆


3年生になった今も、あの子が忘れられない。
いつまで経っても、忘れられない。
ねえ
最初から出会わなきゃ良かったね
こんな中途半端に関わらなければよかった。
あの子は、どこの大学に行くんだろう。
あの子の名前、なんていうんだろう。
なにも知らないのに気持ちだけ大きくなって、願望だけ気持ち悪くなっていくよ。
こんな自分知らなきゃ良かった。

5/9/2026, 5:39:54 PM