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時計の針


 揺れる車内の窓から、夕陽がこぼれる。オレンジ色の光は、隣に座る彼女のまつ毛を照らした。
 各駅停車を告げるアナウンスが聞こえ、自分の降りるべき駅に近づいていることがわかる。
 彼女の笑い声とか、匂いとか、仕草とか。
 ぜんぶ、もっと聞きたくて。感じていたくて。まだ足りなくて。永遠に、駅に着かなければいいのにと思ってしまう。
 このまま、時計の針が止まってしまえばいいのに。
 ただ景色を見つめる彼女の瞳が綺麗すぎて、そう願わずにはいられなかった。

2/6/2026, 2:36:39 PM