自室の窓の桟の黴に
隠れるように身を寄せていた、
憐れなほど小さな躯の蜘蛛が、
なんだか許容せなかったので、
流れる手付きで潰して棄てた。
Q.何故逃がそうとしなかったのか、
A.……いやいや外は雨だろう
Q.何故今日を凌ぐ宿ぐらい与えてやれなかったのか、
A.……………|
…なあ蜘蛛よ、いま屑籠から群れで蘇り、
いっそ私を殺してしまったって構わない
憎くもない命を潰すことに
慣れてしまったこの境地を、
"大人になった"というのなら
一人で傘をさせる歳になったというのなら
私はずっと、雨の中でも構わない
3/13/2023, 12:37:42 PM