どこかのだれか

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「久しぶり」
そう言って君は手を振ってくれる。そして君との再会を喜ぶ。突然寒くなったものだから、着る服を探すのに戸惑って少しだけ集合時間に遅れてしまったのだ。
君は早くも秋色を散りばめた服装だった。
街だって、すっかりハロウィンに向けて彩られている。最近まで夏だったのに。
夏の終わりは何度も何度も過ごしたはずなのに、毎年終わってしまうと寂しさが残る。長い夏休み、賑わう夏祭り、あのときの花火の音や、君と話したこと。何もかもが、毎年積み重なって、突然に寒くなる夕暮れ時に全て流れ込んでくる。
だから寂しいんだろうな。
君は僕に笑いかけてくれる。無垢な瞳で。
僕だけがこんなにも、あの夏を引き摺っているのだろうか。
僕もしよう。衣替え――――

10/22/2022, 10:23:58 AM