ジャングルジムのある公園を見つけて、年甲斐もなく登ってみた。
かつては一番頂上のブロックに行けなかったのだが、この年になると一応登ることはできる。
……落ちないように、細心の注意を払って、おどおどと、足を運びながらであるが。
一番頂上から頭を突き出して公園内を見渡してみた。案の定という感覚が頭の中から突き抜けてくる。
何も無いな。
記憶の中にあったはずの錆びれたブランコや、うんていなどがない。砂場は普通の地面と同化するような灰色であり、もちろんそれらに子供たちの姿はない。
ただ自分だけがいる。
ニュースで又聞きしただけだが、幼稚園ではラジオ体操をやらなくなったらしい。
外で遊ぶことが少なくなったから、身体が弱くなってあの程度の体操でも身体中が痛くなってしまって、負荷の軽い体操を新たに考案したものを使用することにした県があるという。
たしかに危険は少なくなったかもしれない。
公園の遊具が撤去されるに至った理由は、主に転倒である。
転倒で膝を擦りむいてしまったときの、子どもたちの泣き声ほど遠くに響き渡るものはない。
それが周辺住民の騒音認定されたとしたら、遊具のある公園というのは、肩身の狭い気持ちが集まるというのだろう。
ジャングルジムも撤去される運命にある。
こうした高さのあるものは、数年後にはスカイツリーとかに置き換わってしまうのかなって、しみじみしちゃうな。
(声が聞こえる、を抜かしてしまいました……)
9/23/2024, 2:34:45 PM