頼まれたから即座に動いて、そんな自分の行動力に誇りを持っていた。"事前に連絡していただいた方がありがたいです。折角きてもらっても居ないかも知れませんので"
「分かりました。次回からご連絡してから伺います」
"その方がいいですね"と遠回しに否定される。
ショックだった。心の中の揺れる羽根の先端がポキっと折れた。感謝ではなく否定。その自己評価との矛盾により相手の評価を1ランク下げる。
全ての人に「今からお伺いしてもよろしいですか」なんて聞かないと動けないなら、手間が多すぎて動けなくなる。必死に勢いをつけないと動けない人の気持ちは健常者には分からない。
僕がこの場に辿り着くまでに、どれほどの苦悩と葛藤と「えいやっ」という勢いがあったか理解できるか?
そこに追加で事前連絡が必要になったんだ
揺れる羽根の軽やかさに鉛玉がついて落下する。
地面にめり込んで絶望の沼に沈んでいく。
題『揺れる羽根』
10/25/2025, 7:21:34 PM