「落下」
「落下」という言葉は、ニュートンのことを思い起こさせる。全ての質量のある物体は重力があり、リンゴは地球の引力によって落下するけれど、リンゴもまた質量があり地球を引き寄せていることになる。
昔、あっちゃんという友人がいて、ラグランジュ・ポイントのことを教えてくれた。重力均衡点のことで、地球と月との間には、ラグランジュ・ポイントは一点ある。物理学的な説明は婆々には無理だけど、つまり、程よく釣り合っているから、月は地球を離れて勝手にどこかへでかける事はない。人工衛星も同様だ。
突然、何かがストンと落下する様にやってくる事がある。私にとってラグランジュ・ポイントは、まさにストンと落下する様にやってきた何かだった。太陽系の惑星間には複数のラグランジュ・ポイントがあり、当然のことだけど複雑に絡み合っている。
私達はこうした宇宙の法則に無縁でなく、私達の存在そのものが宇宙であり、また宇宙と深く繋がっている。
伊藤計劃という若きSF作家がいて、作家となって、わずか二年で夭折した。彼の『ハーモニー』という作品からも、何かが、ストンと落ちてきた。時空を超えて繋がっている何かが。
若い人には臆することなく想像的であって欲しい。そう、あなたにしか創れない世界がある。
注意⭐︎推敲しました。
6/18/2023, 11:47:18 AM