明里

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“夢の中で”

白く染まった町を通るときに
時代の変わり目に朽ちていく
古い家々を眺める
心の中で みんな大丈夫?みんな
時の流れの中に消えかけていた
風景が再び活動を始める

枯れ葉に埋もれた誰かの玄関ポーチ
錆びていくだけの庭先のスクーター
何ヶ月も動きを見せない郵便受け
気付かれずにいなくなりかけていた
見知らぬ人々に呼びかけた

あちこちで動きが始まる
廃墟の店先にのれんが戻り
温かい湯気が再び立ち上る
眩しそうな目をして朽ちかけた家から出て来た
ほうきを持った人々が
再び生命を繋ぐための活動を始める

やがて雪に埋もれ枯れ葉に埋もれ
砂にまみれ土にまみれ死んでいた家々に
花が咲きそこから鮮やかな色彩が広がる

家に戻りベッドに横たわると
蒸気でくもった窓ガラスに
だれもか最後には行きたがる
あの光景が広がっていた気がした
もし必要ならいつだってそばにいて
君を待ってると言わんばかりに
美しい巻き毛の横顔がこちらを見ていた
部屋の天井を見ながら静かに目を閉じると
同じように誰かに優しい他の誰かが
いつだってまた違う場所のそこにいる

1/24/2024, 7:13:47 AM