自分はつくづく花というものが似合わない人間だ。
そもそも相性が悪い。
気管支炎を患っていたせいか、中学にあがるまで花に近付くと体調を崩していた。
今ではそういったこともなくなったが、今も昔も花に対して大した興味は出なかった。現に、何ともなしに花畑を調べて「コスモス畑が旬です」と謳い文句を目にしても、行きたいというような感情にはならない。
容姿に関しても、花と自分とではちっとも合うことのない組み合わせであると自覚していた。自分は花の様な可憐で淡いものより、夜の海の様な図太くて濃いものの方が合うのだ。
それでも、実際に花畑を目にしたら簡単に惹かれるのであろう。綺麗だと、壮大だと、貧しい賛美を送りながら、心躍るのだろう。
何ともまあ、花よりも単純な人間だ。
9/17/2024, 6:48:30 PM