教室の窓際で1人夕日に背を向けていた僕は、その時何を思っていたのだろうか。
嬉しかったのか、悲しかったのか、ただぼーっとしていたのか。今となってはわからない。
10分か、1時間か、はたまたそれ以上か、立った時
「パシャッ」
というシャッター音が聞こえた。
意識が急に覚醒した。
僕は微睡の淵にいたことを理解した。
シャッターの主は言った。
「おはよう」
と。
私は、挨拶を返し、なぜ写真を撮ったのか聞いた。
曰く、シャッターの主は美術部で、今週末までに絵を描いて提出したいといけないが、書きたい絵や構図が思い浮かばず、散歩している時に僕を見つけ、この構図を参考に描きたい。と思って写真を撮ったんだそうだ。
写真を見てみると、そこに映るのは自分なのに、自分ではないかのように美しかった。
影になりよくわからないミステリアスな表情、その縁から漏れ出るオレンジの光。
これをみると、逆光がさまざまな映画や歴史的な絵画で選ばれているのがわかる気がした。
それから少し話したあとシャッターの主は教室を出ていき、僕もそれを習うように教室を後にした。
1/25/2024, 6:11:20 AM