夏野

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「お嬢様、お誕生日おめでとうございます!!
さぁ、お食事の準備が整いましたので、こちらへどうぞ!」
満面の笑みだ。


そう呼びに来たメイドは、うちに来てからもう長い。住み込みで働く彼女はいつも優しく、一人っ子の私にとって姉のような存在だった。

そう…
今まで当たり前すぎて気付かなかったけど、家族と同じくらい大切な存在になっていたのね、、、


よし、決めたわ。
「ねぇ、今年はお父様たちも海外でいないし、あなたも一緒に食事をしましょう!
私だけじゃ多すぎるし、それに…記念日は誰かと一緒に食べるほうが素敵でしょ?」

――笑顔がもう一度こぼれた。

7/19/2023, 9:49:26 AM