小雨のヴェールから抜け出したあとはおやつを食べて、今日も夕飯まで虹介と過ごす。
「また、来週ね」
と送り出したあとの部屋はひどく虚ろで。今日もあの子にとって有意義な時間だっただろうか、八つも年の離れた僕よりも、同い年の子との方が楽しいのではないか。そんな考えが脳裏をよぎる。
けれど。瞼を閉じれば、太陽のような無邪気な笑顔が残っている。ベッドに触れれば、柔らかな残り香。そして手のひらに残った虹介と自分の間の体温。それらが懸命に何より楽しかったと言っているのだから、信じて良いのだろう。
最期の日まで、あとどれ位君と僕の間を作っていけるだろうか。
お題:『君以上、僕未満』
6/11/2024, 11:07:45 AM