また明日
私の隣で、君は静かに眠ってる。
恋人と会えない寂しさを、
私で埋める事が出来るなら、と。
罪悪感も倫理観も全て無視して、
私は君を抱き締めた。
…君が寂しそうだったから。
君には、そう告げたけど、
私は、君を言い訳にしたんだ。
本当は。
君と仮初の恋に落ちることで、
昔の恋人への未練から、
逃げたかっただけ。
そんな君と二人で過ごす夜は、
悲しくも、温かくて、
何かを求めるように私に縋る君は、
切なくも、愛おしくて。
でも、君が本当に愛しているのは、
私じゃなくて、恋人なんだって。
こんな事、最初から分かってたのに、
その事が、酷く苦しくて。
君にこの台詞を告げる事ができるのは、
もしかしたら、
今夜が最後かもしれない。
そんな寂しさを、押し隠して、
隣で眠る君に、私はそっと囁く。
…おやすみ、また明日。
5/22/2024, 4:09:09 PM