wtプラス、819プラスネタ

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「好きだよ」「うん知ってる」目の前の男は普段と変わらない顔で頷く。最初はギョッとした顔や、少し照れるような顔をしていたはずなのに、いつの間にか目の前の男の心を動かすこともできなくなってしまった。「感情消えた?」「いや、嬉しいよ」貼り付けた笑顔で笑う、そんな顔だって好きなんだから重症だ。「その顔も好き」「うん」「今日はなんかちょっと冷たいね?」鬱陶しがられているのは百も承知で、それでも今日はいつもよりツンが強い気がする。「俺も悪いと思ってるんだけど」研磨は少しだけ俯いて、ポツリとつぶやく。もう好き好き言うな、迷惑、とか言われるのか、いつもと違う雰囲気に少しだけ構える。「どうしたいわけ?」「……え?」「俺をどうしたいわけ」明らかに嫌悪を帯びた声に、思わず固まってしまう。迷惑と言われるよりもずっと重い、これが最後なんだと頭が言っている。「え、えーっと、ごめん。私、自分のことばっかりで研磨のこと考えてなかったよね」早口で捲し立てながら、なぜか涙がでてくる。泣きたいのはこれまで我慢してきた研磨なのに。「もう、言うのやめるから!嫌な思いさせてごめんね」「ちょ、ちょっと!待ってよ」言いっぱなしで逃げようとした腕を掴まれる。もう涙でぐしょぐしょだし、見られたくない、振り返ることもできずにいれば今度は研磨が謝りはじめる。「あのさ、言うだけ言って満足なの?……付き合いたいとか、ないわけ」付き合いたい?誰が?何を?「俺と付き合いたいとか思わないわけって聞いてんの……」「は?」思わず振り返り顔を上げると、そこにはびっくりするくらい顔を赤くした研磨がいて「あーもう……なんで俺がこんなこと」「研磨、私と付き合ってくれるの?でも、私のこと好きじゃないのに?」「いつそんなこと言った?」「…言われたことない。でも好き、って言われたこともない」「聞かれたことない」屁理屈だらけの応酬にバカバカしくなってきた。「研磨、私のこと好きなの?」「は?好きじゃなかったら毎日毎日君の愛の告白聞いてないでしょ」告白し続けるのが今日で最後だってのは間違ってなくて、明日からは恋人としてあなたの隣に居られるってことだね。

愛を叫ぶ

5/12/2024, 7:26:45 AM