覚えているのは、優しいソプラノの歌声。
銀の髪の女性が、微笑みながら歌っている。
子守唄だっただろうか、その歌は、
不思議と耳に残り懐かしく思える。
それが、唯一の母の記憶。
繰り返し夢で見るのは過去の自分。
どれだけ願ってもこの世を去った母には会えない。
それでも、いまは幸せだ。
惜しみなく愛情を注いでくれる養父と兄たちがいて、
哀しみを感じる隙もない、幸福に満ちた日々。
母との別れがあったからこそ、今の家族との出会えた。
だからこそ伝えたい。
「産んでくれてありがとう。私は今幸せです。」
5/25/2025, 5:22:28 AM