〜秋晴れ〜
ヒュウーと冷たい風が吹く。
夏の頃に切って伸びた私の髪が風になびく。
同時に周りの子達は寒そうにマフラーを口くらいまで上げる。
空気が乾燥しカラッとした秋晴れ。
2期制の私の学校は今から二学期が始まる。
学校に行くまではとても憂鬱で1人トボトボと歩いていた。
そこまで人の多くない通学路。
時折見る道路のアスファルトでピョンピョンと飛び跳ねながら歩く雀や塀の上で身を寄せあっている猫。
いいな…私も、のんびりしてたいな
そんなことを考えていると見慣れた学校の前の交差点。
向こう側からマフラーもしないでフラフラと歩いている男性。
ミヤさん…!おはようございます…!
話しかけると笑顔で応答してくれるこの近所に住んでいるらしいが最近はやつれて見えた。
彼と別れたあと私はまたくらい気持ちになる。
教室は新学期が始まるということでとてもガヤガヤとしていた。
教室に入ると相変わらず私の机には雑巾が乗せられていた。
傍でくすくすと笑っているクラスの中心の女の子。
雑巾か…まだマシだな
そんなことを思いながら荷物をロッカーに直して雑巾を元あった場所に戻す。
「おはよっ」
席に座ってさて本を読もうと取り出していると親友が話しかけてきた。
ふわふわの茶髪を下の方で軽くツインテールにしているがいつ見ても似合っていた。
おはよう…
いじめのようなものを受けている私にも気にせずに話しかけてきてくれる親友が私は大好きだ。
友情的な意味でも恋愛的な意味でも…きっと気持ち悪がられるに違いないけれど。
授業をたんたんとこなしいつの間にか放課後になっている教室では夕日が眩しいほどに差し込んでいた。
秋晴れの空にはオレンジに染ったうろこ雲が広がっている。
隣の空き教室の前を通って私は下駄箱へと向かう。
だが、様子がおかしかった。
誰かの喋り声…?
「でさ〜wアイツね女の子好きらしいんだよねw気色悪いよねw」
え……?
「それなw」
私のことをいじめてくる女の子たちの輪の中に…
「え?w友達ごっこしてあげてるから私に惚れたんじゃない?w可哀想な子だよね〜w」
あの女の子たちの中心は…
親友だと思ってたのに……
10/18/2022, 10:49:32 AM